週刊誌深読み・今井尚哉の野望その2・26年4月9日

先週に引き続き、今井尚哉参与は何をやろうとしているのか。
木下ちがや(こたつぬこ) 2026.04.16
誰でも

今週の注目記事ー週刊文春「高市総理の危険すぎるトランプとの心中大作戦」

心中大作戦という物騒な見出しですが、この記事も数々のエピソードが盛り込まれています。総理が大ファンであるハードロックバンド「ディープ・パープル」との面会後、「もう総理を辞めてもいい」と口走ったことを指すのでしょうか。それにしても「総理を辞める」ということを度々口にする総理、この軽さが世論に受けているのでしょうか。

どちらが昼食に誘ったのか。

4月10日に高市総理は麻生副総裁と会食をしています。この会食は高市総理が呼びかけたのだのか、それとも麻生副総裁が呼びかけたのかは、当日の新聞報道ではわかりませんでした。この会食をどちらがよびかけたかで、この会食の意味は微妙に変わってきます。 朝日新聞の記事によると出席者の一人は「コミュニケーションを取ることを目的に集まった。その目的は達成した」といっているらしいですが、、最後に二人が会食した昨年12月以降、解散総選挙、イラン侵攻、日米首脳会談、予算審議等々、話題は満載です。定食をつつきながらの一時間ではできるのは顔合わせ程度であり、「その目的は達成した」ということは、顔合わせしかできなかったのということ。だから「どちらが呼びかけ、その意図はどこにあるのか」がこの会食の焦点になります。 この間連日マスコミで高市総理と周辺の側近との不協和音が報じられ、高市総理誕生の立役者である麻生副総裁が茂木外相に重心を移しているとの見方もあるなかで、高市、麻生両氏の距離が開いていくなかでの「我慢比べ」に耐えられなかったのはどちらなのだろうか。どちらが会食を呼びかけたかが、現在の両者の力関係を暗示することになります。そして週刊文春によると総理側から会食を呼びかけたということです。高市総理を包囲する勢力が増えるなかで、様子をさぐるために会わざるを得なくなったということでしょう。総理の求心力に陰りがうまれつつあることを示すエピソードです。

今井尚哉氏の思惑は

先週のletterでは、今井尚哉参与が、日米首脳会談でトランプ大統領の自衛隊派遣に応じようとする高市総理を「恫喝」してねじ伏せたという報道に対し、今井氏が直接週刊文春に電話をしてきたことの意味について論じました。今回の記事でも、今井氏が週刊文春に電話してきた際の別の発言を紹介しています。それは「アメリカのイラン侵攻が国際法上根拠があるかはわからない。どっちが仕掛けたかなんてわからない」というもの。さらに「ロシアとウクライナだって怪しいんですよ」と話しています。この下りについて記事は、「トランプの肩をもつ高市総理に斟酌したもの」と解説していますが、果たしてそうでしょうか。そもそも「ロシアとウクライナのどっちが戦争を仕掛けたか怪しい」という発言は、明確にロシアの侵攻を批判する日本政府の立場に反しています。こうした発言を参与が週刊誌に電話して話すこと自体が異様ですが、今井氏は安倍政権でも対露外交を推進してきたことを鑑みると、ホルムズ海峡危機が深刻化するなかで、ロシアとの資源外交を復活させるために「どっちもどっち」論を唱えているようにしか思えません。しかも記事では、今井氏が「高市総理は中東外交をわかってないから育てなきゃいけない」と言った発言を周囲にしていることが紹介しています。どうも今井氏は、かじ取りが難しいこれからの政府の資源・外交戦略を自ら仕切る意欲をみせているのではないでしょうか。今回の記事からは、こういうことが読み解けるのです。

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