週刊誌深読み・高市総理のマキャベリズム
ルネサンス期イタリアの政治思想家ニッコロ・マキャベリの名前は聞いたことがあると思います。彼の著書『君主論』は政治学の始祖といわれますが、一般的には「マキャベリズム」といえば、冷酷な権謀術数家がイメージされがちです。悪のイメージで捉えられがちなマキャベリですが、本人は陽気闊達な人物だったようで、実際に『君主論』を読んでみるとそこで描かれている「マキャベリズム」からイメージされる政治家は、独裁者というよりも野中広務や二階俊博のような老獪なお歴々です。『君主論』は各地各国を巡ったマキャベリが目にした統治における「政治的なもの」の経験観察記録であり、この記録は政治が単なる上からの統制ではなく、下からの力を利用しかつ制御しながら統治を確立していく技法として、時代を超えた普遍性をもっています。政治の重要概念である「ヘゲモニー」を提唱した20世紀初頭の政治思想家アントニオ・グラムシもまた、このマキャベリを熟読し『現代の君主』という名著を書き上げました。
さてこのマキャベリの『君主論』を軽く紐解いてみると、こんなことが書いてあります。
「君主は、慕われないまでも、憎まれることを避けながら、恐れられる存在にならなければならない。なぜなら、恐れられることと憎まれないことは、充分に両立し得るから」。