週刊誌深読み:なぜ人は高市早苗と小池百合子に魅了されるのか
「汚れた英雄」が抱くナラティブの力
木下ちがや(こたつぬこ)
2026.07.16
読者限定
今週は「週刊誌深読み」といいつつ月刊誌を取り上げます。月刊『文藝春秋』8月号「裏切りと涙のサナエ劇場:奈良『鉄の女』の原点」は、地盤がない高市早苗氏が右翼や「黒い」人脈に依拠しながら、政党を渡り歩き、裏切りを重ねつつのし上がっていく様を描いています。この記事の白眉は2005年の郵政解散のさい、奈良一区だった高市氏が奈良二区に、造反した滝実代議士への「刺客候補」として鞍替えするところ。「滝先生にはお世話になった、お嬢さんは私の妹のようだった」と涙した高市氏。だが、現在は米国在住の滝氏の娘さんに問い合わせると「そんな関係性はない」とあっさり否定。虚像を積み上げながら総理へと駆け上がっていく高市氏の姿が、この記事では活写されています。高市氏に批判的な人ならば、この記事を目にして「やっぱり嘘っぱち野郎だ」と留飲を下げることでしょう。ところが世論の多くは別の反応をするのではないか。そうなるかもしえないと思わせる好個の事例が6年前にありました。